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グラデーションクラウド

こころの健康10ヵ条

安定した生活を維持するために――療養の心得10ヵ条

(障害を少なくするような生活)

  • 充分に眠る――睡眠の重要性

  • 生活リズムをつける――生活が楽になる

  • 処方された薬をなるだけきちんと服用する――処方は共同作業

  • アルコール等の嗜好品は控え、カロリーは摂りすぎない――薬との相互作用、アルコール症、糖尿病、高脂血症

  • 適度な活動(運動)をする――こころもリラックスする

  • 行き着けの場所や安らぎの時間を持つ――飛び石的生活拡大

  • 友人、仲間、相談者がある――対人関係の重要性

  • 適度に閉じこもり、家族とは適当な距離を置く――家族の役割、感情的安定の重要性

  • 自分の弱点を知る――色、金、名誉、身体

  • 無理をしない、あきらめる――ある種の諦観を持つ

 

 

「こころの養生10か条」説明

 

①充分に眠る

  患者が長時間寝ていることをいけないことと思っている家族が多いが、眠れずに病気になることはあっても、眠りすぎることはない。精神病からの回復過程では、全く眠られない状態の後に過眠の時期があり、徐々に睡眠・覚醒のリズムがついてくる。これは乳児期から学童にいたる人間の成長過程で見られる睡眠の変化と同様である。長く眠っているのは、それだけ長時間の睡眠を必要としているのであろう。

②生活リズムをつける

  安定した精神状態の外来患者さんの多くがパターン化した生活をしている。生活がパターン化すると毎日が過ごしやすくなり、しんどさが減るようである。

③処方された薬をなるだけきちんと服用する

  抗精神病薬を勝手にやめてしまうと、再発の可能性が2倍以上高まる。服薬を続けることが再発を予防することは明らかである。しかし、毎日きちんと薬を飲むことは中々難しい。飲み忘れることもあるし、意識的に減らしてみたくなることもある。これは当然のことであって、責められることではない。ただ、服薬が抜けたことを、医師に伝えるべきである。医師は服薬しているものと思っているから、処方に誤りが生じることにもなりかねない。処方薬は患者と医師との信頼関係の上に相互作用で作り上げるものであって、単なる薬ではない。

④アルコール等の嗜好品は控え、カロリーはとり過ぎない

  精神障害を持つ方は嗜好品の影響を健常者よりもより受けやすいようである。アルコール酩酊が強く現れたり、コーヒー等のカフェイン飲料で不眠が生じることもある。また、嗜好品は薬の効果に影響する。アルコールは抗精神病薬の副作用を増強することがあるし、タバコは薬の効果を弱めると言われている。更に、アルコール依存症、糖尿病、高脂血症になると、種々の制限を受けることになり、二重に生活がしづらくなる。新規の抗精神病薬では、肥満や糖尿病悪化の副作用が報告されている。

⑤適度な活動(運動)をする

  身体を動かすことは、身体の新陳代謝を促進して生活習慣病を予防するばかりでなく、精神をリラックスさせる。激しい運動をする必要は全くなく、好きなことを、適当に身体を動かしてすればいい。特に好きなことがなければ、歩くだけでも良い。歩くことは足の裏を刺激して認知症の予防にもつながるようだ。

⑥行き着けの場所や安らぎの時間を持つ

  仕事は遊べること、休めることが前提になる。行き着けの場所を持つことは生活を豊かにし、こころにゆとりを与える。喫茶店であったり、作業所であったり、図書館であったり、スーパーであったりする。喫茶店を行き着けにしている人の中には、その喫茶店の雰囲気がよくて行っている人(場所志向性)、マスターとの会話を求めていっている人(人志向性)がいる。行き着けの場所が増えれば、そこが基地となって飛び石的に生活が拡大していく。

⑦友人、仲間、相談者がある

  同じ障害者の仲間からは生きた情報が得られ、こころの支えになる(ピアグループ、ピアカウンセリング)。地域生活支援センターを利用するのもよい。ただし、対人関係においては依存的になり過ぎないこと、応じられないことには断る勇気をもつことが必要です。

⑧適度に閉じこもり、家族とは距離を置く

  周囲に過敏になったり、周囲に気を遣いすぎたりして疲れてしまう傾向があります。時には周囲の影響を立って自分を取り戻すことが大切。特に感情的な刺激はこころをかき乱すことになるので注意が必要です。過干渉であったり、感情的に対応する家族のもとに退院した患者さんは再発の可能性が高いことが証明されています。

⑨自分の弱点を知る

  誰にも苦手とする、生活上の問題があります。異性関係をめぐるトラブル、経済的(金銭)問題、プライドを傷つけられるような出来事、身体の病気やけが。これらはかつて群馬大学の生活臨床のグループが統合失調症の再発防止に取り組んだ際に、再発のきっかけになる事件として、「色」「金」「名誉」「身体」と呼んで取り出したことです。自分がどういう事態に弱いかを知れば、そういう事態を避けたり、早めに対処したり、助けを求めたり出来ることになり、再発を防ぐことにつながります。

⑩無理をしない、あきらめる

  精神障害の特性から自分の調子や気分に気づきにくい傾向があります。疲れたら休む、いやだと感じたらしないことが大切です。病気とうまく付き合っている当事者の体験発表を聞くと、皆がある種の諦観をもっているように思います。諦観(=あきらめ)は、できないことはできないと明らかにすることです。一つのことをあきらめると別のことが見えてきます。諦観は新たな生き方につながっています。

充分に眠る――睡眠の重要性

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